2010年10月24日日曜日

「愛燦燦」

「今」というのは,
この一瞬しかないから
儚いものだと思う.

「過去」と「未来」は,
儚い今とは対極的な存在であって
それはまるで大きな岩のように
どっしりとしていると思うのだ.

過去というのは,
時間をかけて
じっくりと思い出を
味わうことができるから
いつまでも眺めることのできる
安定感がある.

未来というのは,
希望を胸に抱き,
そして幼い我が子が
今よりも成長した姿が
必ずあるのだと信じる
幸せがある.

過去と未来の隔たりの間に
一瞬の「今」があって
今を生きるこの瞬間には
過去の私が
吉も悪しきも
積み上げてきた
その時々の私の存在があったから
今の私がある.

そして,鎖で縛られて
身動きできないという
錯覚に囚われながら
もがき苦しむ今があって
もし,この気だるさの壁を
乗り越えることができたなら
過去と未来を隔てる「今」が
過去と未来を断ち切る刃となるのだ

歳を取るたび過去達は
貧相な私の心に
自動的に溜まっていって
それは心を温めてくれたり
苦しめたりするのです.

ぶつぶつと ここまで書いていたら
小椋佳さんが作詞作曲した
「愛燦燦」の歌詞が心に浮かんできました

♪ああ 過去達は
♪優しく睫毛に憩う
♪人生って 不思議なものですね
♪ああ 未来達は 人待ち顔して微笑む
♪人生って 嬉しいものですね

まだ心の底から人生が嬉しいって
思えるほどの心に余裕はない
青二才なのだけど
「愛燦燦」みたいな曲が
自分の心を
温めてくれるようになったのだと
人生の折り返し地点にある私の
揺れる心を見つけた
満月の夜なのでした.