2010年8月27日金曜日

デフレと希望

Twitterの内容をブログに転送するようになってからというものTwitterの内容でブログが毎日更新されるのはいいんだけどイザ自分が書いてみようかと思ったとき,すぐにTwitterのつぶやきの内容で埋もれてしまうがために書く気力が失せてしまうことに気づいた.
今日からTwitterの内容はブログには転送されない.

景気は回復するどころか益々悪くなる気配.
円の対ドル為替レートは,84円前半となっている.
たぶんもっと円高は進むだろう.
たとえ日本政府が介入したとしても効果は限定的だというし行けるところまで円は値上がりしちゃうだろう.
日本企業の海外進出は進んでいて今の84円では15年前と比較してもまだ体力が残っているという.
外国のニュースを読んでいるとこれまで好調だった欧州や米国の経済情勢は予想以上に悪いようだ.
現在の円高レベルに対して日本企業の体力がまだついていけるというなら,結局は体力の限界まで試されることになると思う.心理的には15年前の最高レート対ドル78円が壁だろう.

そうなったとき,いったい何が起こるだろうか.
今年6月だっただろうか.日産はマーチの国内生産をやめてタイから輸入することに決定した.
いわゆるマーチショック.そして現実に円高が進行しているのだから日産は経営者は企業利益を最大にする責任を果たしているといえる.
日本国内需要は少子化によって漸減していくことは間違いないから内需拡大は見込めない.日本産業の屋台骨を支えるモノづくり企業が生きていくためには外国にモノを売っていかなきゃならない.
日本のモノづくり企業が生き残っていくためには,①安物よりも魅力的な製品を開発するか②外国の安物よりももっと安物を作って売るか となるだろう
まあ世の中優秀な企業ばかりでもないしニッチで魅力的な製品を扱う企業っていうのは多くはないから,結局行くつくところは安さをセールスポイントにした価格競争に陥っていくことになる.

「カネはないけど欲しいです」って言われると「じゃあいくらあるの?」って言う世の中になって久しいけど,今後は「〇〇さんはただでやるって言ってるけどお宅に任せたら幾らかくれるの?」って逆に仕事を受けたらお金を要求される時代になったりして.

円が高くなっている理由ってなんだろう?
それは日本がデフレだから.デフレの世の中では時間の経過と共にモノの価値よりもカネの価値のほうが高くなっていく.逆にインフレならカネよりもモノの価値が高くなっていくから同じモノを買うためにカネを多く積まねばならなくなる.デフレの日本の通貨である円にしておけばほっといても円の価値はモノに対して上がっていくのだ.海外の主要通貨の信用は軒並み下がっているから円に買い注文が集中して円は値上がりするっていう構図らしい.

では日本はなぜデフレになっているのか?
昨日の日銀のレポートが的を射た分析をしていると思う.それは日本に成長が期待できないから.将来の日本はもっと悪くなりそうだと皆が思っているので,来るべき冬の時代に備えて当然カネは使わずに貯めておくしかない.カネの流通量は減っていくのである.借金は当然避けるべきとなる.そうなるとカネを預けられた銀行が貸し出すカネの量も減るから預金額+貸出額=流通しているカネも減る.カネの流通量が減るからモノも売れなくなるので安くせざるを得ない.そこに円高で輸入品は安くなるからデフレは渦をまいて進行するのだ.

日本の将来に期待できないからデフレになっているのだから,カネをばらまいたところで貯金に回るだけ.
人が希望を持つことのできる日本の成長戦略が必要だ.
個人のみならず企業も借金せずに現金を蓄えている今の日本に本当に必要なのは,投資しないと損をすると思わせるような新技術や夢.
借金してでも技術開発したいと思えるテーマが日本に必要だ.
そういうモノって既にたくさんあるにちがいない.「はやぶさ」だってそうだ.ボロボロになりながら帰還したハヤブサはNECの開発したイオンエンジンの素晴らしさを世界にアピールするのを飛び越して,感動とドラマを僕らに与えてくれた.

プロジェクトにとりかかる前の段階から実現可能性だとか価値を議論するのも良いけど 若さや無鉄砲さっていうのが今の日本に失われてきているのではないか.
疲れたのでこのへんで今日はおわり.