2011年12月31日土曜日

決まりごと

いよいよ大晦日の夜もふけ2011年が終わろうとしている.
今年はおとなしく紅白を見ているところだが,そういえば紅白を見て過ごした大晦日って過去にあっただろうかと記憶をたどっても,今年ほど腰を据えて紅白を素直に見ている年はないように思う.

歌を聞きながら紅白とは日本の宗教的儀式だと解説した佐藤優氏の一説を思い出した.
要約すると,紅白歌合戦は,一つの時間の区切りの感覚を日本全体で共有する民族的儀式だという.
そもそも年末感と言うか1つの区切りがついて新しい年を迎えるイメージや感覚は,テレビによる影響が大きいのではないか.紅白はその中で一番シンボリックな存在であることには疑いの余地はない.

私は毎年紅白を見て大晦日の夜を過ごすことはワンパターンでつまらないことだと馬鹿にしていた方だが,歳を取ったせいだろうか,それは間違いであったと思いはじめている.

紅白を見ずに大晦日を過ごすほうが,かえって余計にエネルギーと労力を食うような気がしてきた.
抗うことのできない日本人の慣習というものなんだろうか.
あるいは社会との一体感を共有していないことへの恐れなんだろうか.

今,紅白をみながら,漠然とした日本の一体感を感じてホッとしている自分がいるのに気づいている.
このあとゆく年くる年を見て,2011年が終わったことを頭に叩き込むことになるのだ.