2012年5月6日日曜日

GW2012(前半)

旅をすることを,心の洗濯と表現する人があるけれど
つくづくそう思わされる2012年のGWでありました.
日常に曇った私の心は,帰省のひとときで体験した事柄によって
自動的に湧き上がってくる感情の流れによって幾分透明になった感じがしています.

5月2日(水)
AM5時に起床し,北海道への船旅にむけ荷物を車に運び込み八戸へ車を走らせた.
6歳の息子と3歳の娘は,車の中で一度こじ開けた目を閉じて車の中で寝息を立てた.
八戸から乗り込んだ船はシルバープリンセスという最新型のフェリーであった.
2等と言えども座席指定があり,個別のマットレスが設えてあった.
場所取りに走る必要もなく,皆ゆっくりと船に乗り込む.
昼間のフェリーは,やることもないから他の家族は皆 毛布にくるまり昼寝している.
一方でうちの子供達は,興奮して始終騒いでいたので,何度も「静かにせい」と
たしなめるのだが,全てに夢中な彼らは1分もすると忘れて大声で笑い叫び始める.
周りに恐縮しながらの船旅であった.
八戸からの出航は,8時45分.
苫小牧についたのは,16時頃.
車を出すのに30分ほど時間がかかった.
苫小牧からも高速道路を使って,今も両親の暮らす旭川を目指した.
苫小牧は晴れていたが18:30頃旭川郊外に差し掛かった頃,
夕立のような大粒の雨が車のボディーを叩きつけた.
小高い丘の上にある実家に到着したのは19:00頃.
エンジンの音を聞きつけた母が玄関から出てきた.
何か話したのだろうがあまり覚えていない.
幼い子供たちが主役の楽しい時間を過ごしたには違いない

5月3日(木)
東北や関東では,発達した低気圧の影響で大雨が降っているというニュースを見たが
旭川は,曇ってはいたが雨はふらなかった.
両親とともに旭山動物園にでかけた.
私も幼い時にこの動物園へ祖父母と来たことがあって,
売店に並んでいた風車が欲しくてたまらなかったけど買ってもらえず
へそを曲げた思い出がある.
今の旭山動物園は,人でごったがえしており歩くにも人をかき分けていかねばならないくらい.
すべての動物を見ることは諦めて,ストレスを感じずに動物を見られるところだけ廻った.
午前中だけで人の溢れる旭山動物園を出て,
最近 父が気に入っているというラーメン屋に向かった.
旭川の流通団地にある「耀」(よう)というお店.
味は良かったのだけど,私たちの隣の席にいた幼い子供をつれた8人くらいの家族の父親が
大盛りを頼んだのに普通盛りだと大声を上げて店員に怒る姿を見て印象に残った.
そこに同席する幼い子供の母親と思われる若い女性も子供たちも驚く様子もなかったので
それが彼らの日常なのだろうかと想像をたくましくした.
私たちの住む岩手の日常にはない風景であった.
この夜,上富良野にいる妹家族が合流し,外でバーベキューをした.
いつもは酒を飲まない両親も楽しかったのだろう.
ビールや焼酎にワインも飲んでいた.
1ダースあったビールがいつの間にかなくなって,ふらのワインの瓶も空いた.

つい2日前のこのできごとなのだけど,今振り返ってみると,
心のなかで暖かいものと寂しさみたいなものが対流していく流れみたいなものが感じられる.
その時間が自分にとって大事なものだったことを感情が心全体に働きかけているようだ.
これが日常が思い出になっていくプロセスなんだと納得したことにしている.