2011年1月3日月曜日

サイデル教授のかっこよさ

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

私は正月休み中は 家でゴロ寝をしながら、ひたすらにテレビとネットを眺めて過ごしています。
この二つは時間を無意味にやり過ごすには最高のものだと今回つくづく思いました。
31日は紅白歌合戦を見ずにビートたけしが出演しているアンビリーバブルを見てるうちに眠くなって寝てしまいました。
怪奇現象などのネットビデオを紹介したり心霊写真を解説したりしているうちはまだ興味をもって見ていられたのですが、途中からフジテレビのスタジオに作ったお化け屋敷に芸能人を歩かせて驚く様子をみんなで面白がるという軽薄な内容となってしまたのが残念なところです。
今日は既に3日の夜なので明日の1日を過ごしてしまえば正月休みも終わって仕事始めです。
休み前はいろいろとやってやろうと思ってはいても、終わってしまえばなんともあっけないものですね。
このような堕落した正月を過ごしていると自分がさらに救いようのないダメ人間になっていくような怖さを感じますが、たとえ何かをしていても対して変わらないかとも思うので、そのように気楽に考えて自分を安心させております。

そういえば元旦の夜に、いつもは見ないNHK教育テレビをつけてみたら話題になっているハーバード大学サイデル教授の政治哲学の講義を連続で放送しているのを目にしました。
講義の中身はともかく、サイデル教授のかっこよさが光っておりました。
ズボンのポケットに手を突っ込みながら絶妙の間合いでジョークを飛ばし、重要なポイントを鋭く放つサイデル先生の授業スタイル、アメリカの政治家が選挙中に繰り広げる演説スタイルとダブります。
そして随時、学生に発言させる機会を与え、必ず最後に「君の名前は?」と聞くところが特に印象的です。
もう1つ注目すべきと思うのは、サイデル教授の授業の後、番組の最後で日本の先生が解説を加えているシーンです。
かっこよすぎるサイデル先生が登場してため息がでそうなすばらしい講義を聴いた後に、あの日本の先生のお話を聞くのは、アメリカの教育レベルと日本の教育レベルの差を見せつけられているようで皮肉でしかありません。
サイデル先生と解説している日本の先生の髪の毛は、同じぐらい薄いのだけど、二人を比較するとまるで大人と子供のようなオーラの違いを感じさせられるような気がしてなりません。
聞くところによるとサイデル先生の授業はアメリカの標準的な大学の講義スタイルなのだそうです。
日本の一方的な講義とはずいぶん違うことに驚いてしまいます。
日本の大学は少子化によって学生が少なくなっていくことですし、この際、大学の講義をアメリカのような積極参加型に改め、知識を詰め込むのではなく考える力を身につけさせる事を目指したらいいんじゃないでしょうか。
ゆとり教育が叫ばれたときに小中学生に考える力を身につけさせると言う話がありましたが、むしろ子供の時は知識を詰め込み、大学生ぐらいになってから深く物事を考える力を身につけさせる手順の方が、現実の社会で活躍できる人物を育てることができるのではないかと個人的には思います。

サイデル教授の哲学の講義の中身そのものは,正直なところどうでもいい内容なのですが,どうでもいい内容を楽しく人に伝える技術を学ぶ良い教材だと思いました.
そのうち録音して通勤の車の中で聞きたいと思っています.