私はタバコをやめて今年の3月で2年目となった.
18歳になって大学生となった4月ころからタバコをすいはじめた.
当時 自啓寮という男子寮に住んでいた私は北寮11室に暮らした.
大学生になると新歓コンパという飲み会がひんぱんにあり、
そのうちに酔った勢いでタバコをすいはじめたのだとおもう.
タバコを初めた頃、吸い込む度に目が回るようなかんじと酔ったような陶酔感があったのを覚えている.
しかしその感覚も長続きせず、いつしかヤニ切れの度に火をつけることを繰り返す毎日となった.
私が吸っていたのはセブンスター.
就職後はメカを動かすプログラムを作る仕事をしていたのだが、仕様どおりに動かないときなど、すぐに喫煙室に行ってはタバコをふかした.
前の会社を辞めて、今の会社を起業した当時、全社員が(といっても2人だが)喫煙者だったのでパソコン見ながらタバコを吸っていた.
ソフト開発とタバコは相性が良くて本数が進むように思う.
客先に電話をかける前など、一本吸ってからとか、コンパイル中の時間に一本とか、原因不明のバグがなかなか解決しない時は徹夜のお供にコーヒーとタバコを交互に嗜んだ.
今考えるとぞっとするが、飲み会の日などは、2箱以上吸っていた.
二日酔いとタバコのすいすぎによる気持ち悪さのダブルパンチは喫煙者ならだれもが経験済みのはず.
2年前、大事な人があいついで2人亡くなった.
2人は、いつもタバコをよく吸っていた.
1人は私の伯父.咽頭ガンだった.
成人してからは、あまり接点がなかったが 幼少の頃 よく遊んでもらった記憶がある.
もう1人は、幼い頃からよく知る父の友人.肺がんだった.
日常に接点のない2人の死であったのだけれど、私は相当なショックを受けた.
幼い記憶にいる人が亡くなることを期に、何度も心の中で思い出がオートマチックに反芻された.
私は2人に禁煙を助けてもらったのだと信じている.
幾度も失敗した禁煙だったのに、2年前からピタリとやめることができた.
禁煙ガムを1週間分買ったのだけど3日くらいで不要になった.
そしてまもなく体は軽くなって、イガイガもとれた.
仕事でお客さんと酒をともにすることも多く、多くは喫煙者だったので禁煙したことを言うのに恥ずかしさとためらいがあったのだけど思い切って「やめました」宣言をした.
皆さん「えっ!ヘビースモーカーのあなたが」と驚いていたが嫌味も言わず見守ってくれた.
いい人たちに囲まれていたのだと思う.
そのうち妻がいつもクレームをつけていたタバコ臭さというものが分かるようになった.
毎日の習慣がなくなるというのは不思議なことだ.
18歳から15年にわたて吸いつづけたタバコの臭いがくさくてたまらない.
タバコを辞めたかわりに体重が増えた.
辞める前の体重は、58キロだった.身長は168センチほどなので軽い部類だと思う.
現在は63キロ.
タバコを吸っていたときは昼飯を抜いても平気だったが、今では不可能だ.
腹が減っては戦はできないというのは本当だと思うようになった.
タバコが体に悪いのはニコチンだけじゃなくてタバコを吸うことによって食欲が減退することとかも関係があるのだと私はつくづく思う.